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11月23日。勤労感謝の今日は、宮中では今年の収穫への感謝と、来年の豊穣を願う祭祀が行われている。昨日は雨だったが、今日は清々しい秋晴れ。こうした祭祀が晴天の下で行われていることになんとなくほっとする。
話はさかのぼるが、9月に入り、我が家には親戚の手配のお陰で、品種の違う梨が時期がきて実ると、梨農園から送られてきた。例年通り色々な梨が届いてきた。その間、育てた米や季節の野菜が、あちこちの親戚宅から届いてくる。実りの秋。こちらも全く例年通りだった。ところが9月のある日、お茶を分けて頂いている熊本の農園の園主から、今年の夏は飛んでくるミツバチが激減して、夏野菜がめっきり収穫出来なかったことを聞いた。それはもう、恐ろしい、恐怖よ、と言葉が沈んだ。我が家に届く農作物も、スーパーに並ぶ農作物も例年通りだったので、この話に心底驚いた。見えない、知らない生産地の現状が怖くなる。日本の食卓の少し先を考える時、いつもあやぶい思いだ。ずっと以前から。
10月1日、この夏咲くことのなかったムクゲの花が、突然咲いた。まさか緊急事態宣言の解除を待っていた訳でもなかろうが、幸先が良い、と気分が上がった。朝、開花して夕方には萎むと言われている一日花だが、咲いたムクゲは一週間経っても咲き続けた。けれどもなぜかその姿が痛ましく見えて仕方がない。頑張って咲いているのに、何を私は思っているのか、と自分の頭を叩いた。
宮崎のハーブ園主から連絡が入った。初夏に雨の被害を受けたバジルやホーリーバジルを植え替えたが、今年は収穫量はかなり減りそうだと言う。それでも、育ったハーブの草花は、まるで意地でも、という感じで育ち続ていて、例年通りでない天候の下で成長して、なんだか必死さを感じていると言う。必死で子孫を残そうとしているんでしょうかね、とおっしゃった。私は、ムクゲの花を思った。
そして、例年通りの数とはいかなかったが、好評の、いつもの味の<バジルペースト>が出来上がってきた。<ホーリーバジル>、<ハイビスカスローゼル>も入荷している。早速、バジルペーストはご予約頂いているお客様へ発送中です。12月初旬には、2回目の入荷予定で、今年はこれが最終入荷になります。ハーブを育てる作り手さんが、最後に手を加えて仕上げるお茶やペースト。元気の素にお役立て頂きたいです。
- 2021/11/23(火) 14:35:25|
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