
昨年は夏以降、羊羹をいくつか頂いた。夏の頃は京都のあんこ屋「都松庵」さんと共同で作られたブルーボトルコーヒーの羊羹。デザインはもちろんだが、フルーツやクルミが入った小形羊羹は夏のお土産にもよく、私としては、2種類の味のうち-MATCH- 抹茶味が紅茶によく合うという点で、その後購入しては、当店の<べにふうき(紅茶)>を添えて、知人に送ったりした。

秋には、「とらや」さんのパリ40周年を記念に「ピエール・エルメ・パリ」と共同で作られた「イスパハン」を頂いた。

最初に甘酸っぱいフランボワーズがほのかに香り 、 そのうちに華やいだライチの風味が口に広がり、最後に上品なバラの香りが立ちのぼる、という説明に、味の想像が追いつかなかったが、実際食べてみればその通りで、それでいて渾然一体。これだけインパクトがありながら、余韻はあるが、後味が口に残らず、合わないだろうな、と思っていた煎茶さえ美味しく飲めた。さすが、と驚嘆。また、同じくとらやさんの、「昼下がりのカフェ」、という素敵な名のカカオ珈琲羊羹を頂いた。これもお洒落なデザインで、一緒に食べた仲間達は「美味しい」を連呼していた。
冬になり、熱海に店を構える「ときわぎ」さんの「百年羊羹」をお土産に頂いた。丁度先日ブログに書いた「光射ス森」の公演日が近づき、100年先の子孫の為に木を植える行為について思いを馳せていた時期だったので、 ‟百年”という文字に目が留まった。初めて知ったが、創業から100年を越える、家族経営で守り続けている老舗だ。創業当時から甘さを控えた伝統の製法と味を守り続けているその羊羹は、砂糖が控えめ、真空包装でもなく、保存料も使っていない為、日持ちがしない。パッケージの「縁嬉菓子」という文字が笑をもたらす。数種類どれも美味しかったが、地場の特産品を使った柑橘類の入った羊羹は、コンセプトが私好みだ。美味しく仲間と頂いたのが12月。
年が明け、私が興味ありそうだと、友人からメールが届いた。面白いことに、知り得たばかりの「ときわぎ」さんのFacebookからの転写だった。コロナの影響で観光地に人が集まらず、お菓子の材料の段階で、廃棄しなくてはならない状況に、支援を呼びかける丁寧なメッセージであった。緊急事態宣言下、特別商品「本家ときわぎ 縁嬉菓子セット・あうん」をご用意された。、商品代金、税金、送料、代引き手数料合計で5000円。100年の歳月を守り続けたご苦労は測りしませが、つぎにつなぐ為の今を支えることに心寄せられた方は、こちらの「ときわぎ」さんのHPでご確認下さい(http://www.tokiwagi.co.jp/index.html)。かなりお得なセットです。お茶屋をしては、是非、お茶をご用意の上、お茶請けの羊羹もご用意頂ければ有難いと願うところです。
- 2021/01/16(土) 19:45:06|
- 店主の日記
-
-