
「光射ス森」の観劇の後、30年以上も前、材木問屋の方に連れられて見に行った秋田杉林。粛々とした美しい光景に、息がとまる思いだったことを思い出しました。
「今の日本の林業が抱えている現状が大変過ぎて、本当にほんの一部しか切り取れないですけど、よい作品にしないと・・。」演劇集団「円」の演出家の内藤さんは、訪れた育林家の池谷さん所有の山の帰り道に、呟かれた。当HPに「山からの便り」として寄稿下さる池谷さんはじめ、林業に関わる方々を取材され、演劇「光射ス森」が出来上がった。春の上演予定がコロナの影響で延期となったが、劇団の方々の努力により、12月19日(土)〜27日(日)までシアターXで上演に至りました。(http://www.theaterx.jp/)
次の世代か、あるいは三世代先にようやく伐採時期となる木の苗を植え、それを何十年もかけて丹精込めて育て上げた木を、日本人は暮らしの中で楽しみ、大事にしてきました。その片鱗を、昔の煎茶道具の中でも感じることがあります。自国の木を愛する暮らしぶりは変りましたが、海に囲まれ、まだ豊かな森林に覆われた国であります。内も外も自然に恵まれた国が地球上に、どれ程あるのか分かりませんが、豊かな森林をもつ国は、その緑を守り伝える責任があるように思えます。多くの方が直接林業に携わることはありませんが、日本の森林の現状、林業が抱える問題等を知ることも大切だと思っています。そのきっかけになってくれるような作品です。コロナ渦中で、劇場へのご案内が出来ずにおりましたが、劇場内は徹底した対策をとっていらっしゃいました。森林への興味の一歩となる「光射ス森」、ご案内申し上げます。

- 2020/12/22(火) 20:12:00|
- 店主の日記
-
-