山からのたより その13 夏の巻
山で採れる食材、山の楽しみ 池谷キワ子
暑さもピークが過ぎたのかまた来るのか、ともかく酷暑でした。
いかがお過ごしでしょうか。
山も日照りが続いた後に大雨だったりしています。降りすぎて山崩れ(養沢では「くよ」)が
起きなければ山の降雨は恵みです。
今回は山での食べ物編です。春、山に生える草々の新芽はほとんどが食べられるといえそうです。
もちろん、ハシリドコロ、ヒガンバナ、クサノオウ、タケニグサなど毒草もけっこうありますが。
山菜の王様、ワラビ、ゼンマイ、タラノメ、コゴミ、フキなどはこのごろは普通に出回っていて、
栽培されているようです。特に「山菜天ぷら」の材料は盛りだくさんで、数え上げればきりがありません。
やっぱりなんの人手も加えず森林や草原で野生したものほど香り豊かなのが春の新芽です。
そのかわりアクが強く、味が濃厚でやみつきになりますね。
養沢では自分たちが楽しむ量を山仕事のかえりに採集するだけ、根絶やしにしないのが原則です。
夏の盛りのこの時期、少ない山菜をいくつか紹介します。
わが家の裏の山の入り口に植えてある茗荷は7月末あっという間にこのように花が咲いてしまい、
品のいい花ですがこうなると食材としてはツーレイトとなります。品種が違うらしい「秋茗荷」は
彼岸ごろ、色がピンクでより美しい。山への道にはミツバが自生しているので、ボランティアが作る
「みそ汁」の青味に最適、摘みながら登って行きます。
すこし登った林地に先祖が植えた孟宗竹の林があり、5月のタケノコはひざ丈ほどに成長してもまだ
柔らかく食せるので好評です。
花が咲かないうちがいい
昨年の多作だったタケノコの写真です。
収穫後はみんなで平等にわけます。今年は裏作で10%にも満たない少ないものでした。
青ユズ 自然に生えているミツバ
8月収穫ブルーベリー ワサビ田にはいつも沢に水を流す
青ユズは8月はまだ小さくて、完熟する11月ごろのユズとは芳香も強くおそうめんにぴったりです。
蒟蒻は収穫に数年かかりますが、これは「そらあけ畑」で栽培しています。
年末に、そらあけ会のYさんがレシピとともにお刺身蒟蒻を伝授です。
ブルーベリーは7月末からがシーズン。
これは畑に苗を植えて20年余りなのにさっぱり成長してくれないのです。
世話がすくないので怒っているようです。でも、絶対病虫害にかからない、タフな植物です。
ワサビ畑ははるばる千葉からもう15年も通っている公認会計士嬢が、森林ボランティアのかたわら
独自でワサビ田を造り上げてきています。このことは、便りの“その7”に書きました。
ワサビは「まずま」「だるま」という種類が栽培種だと奥多摩の新島先生に聞きました。
井戸入沢に点々と自生しているワサビは、50年以上前近所のおじさんがここで育てたことがあった名残です。
ついで昼食のお話しです。「そらあけの会」お弁当タイムはうれしいいひととき。
「かしき」と呼ばれる2名の食当が、一年中、鍋いっぱい「具だくさんみそ汁」を作ってくれます。
自由持ち寄りの具は、生まれて初めてというようなアイデア食品も入って闇鍋ふうです。
12時10分前に笛の合図で作業の手を止め、順次「お茶場」と呼ぶ荷物を置いた、たき火の炉のまわりに
もどってきます。昼食はかなりまとまった量のお惣菜を持ってくる人もあって、それをバイキング形式に
ぐるぐる回すのです。
「怪我と弁当と足は自分持ち」といわれるボランティア、すこしでも楽しんでいただけたらと、
わたしも出来る範囲でオカズを用意していきます。このごろは20人になることもあり、この写真より
もっと大量に持っていきます。夏は野菜マリネや酢の物を冷やしていくと好評です。
山での楽しみはいろいろあります。
- 2013/08/27(火) 09:58:42|
- 山からの便り
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