
平成の最後に家で作ったというお茶は、静岡の小柳さんの畑で管理されずに自然まかせに
育っている<藤かおり>を摘んできたもの。3年前の春、小柳さんの畑に行った際に、すっか
り野生化した<藤かおり>の存在を知り、それを仲間が家でお茶に仕上げてみたところ、
<藤かおり>らしい、凛とした花の香りがいつまでも続く晴らしいお茶に仕上がり狂喜した。
放置されたままの<藤かおり>を見て狂喜している私たちを見て、小柳さんは物好きだと笑っ
ていたが、来年よく摘めるようにと、背丈よりずっと高く成長していた<藤かおり>の木を秋に
小さく切っておいてくれた。以来、春の小柳さんの畑には、茶づくりの現場に行く、というより、
野生化した<藤かおり>を摘んで家でお茶づくりを楽しむ事がメインになってしまった。
上記の写真の、手前の葉が、放置されて野生化した<藤かおり>
うっそうとした中でゆっくりと成長している<藤かおり>を見た瞬間、心が躍った

管理されている<藤かおり>の茶畑はこの風景

小柳さんの畑では、印雑131という品種のお茶づくりのスタートは、例年4月の中旬だが、
今年は4月に気温が上がらず茶葉が成長しない為、4月下旬になってしまった。小柳さんが
ぽつりと、「ほんとまいったよ。今年は、葉がぜーんぜん伸びないで。ま、こういう時は、自然
まかせのもんは強えーな。白井さんのお目当ての<藤かおり>はよっく伸びてるよ。」
うしし、とその場ではついほくそ笑んでしまったが、お茶屋としてはやはり、小柳さんに多くの
お客様に美味しいと喜んで頂ける<藤かおり>をたくさん作って頂けるように、と祈る思いです。
- 2019/05/12(日) 19:13:39|
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