
新年明けまして おめでとうございます
本年もゆっくりペースになりますが、数ある中で知りえた、「これは」と思えた美味しいお茶をご紹介して参ります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、昨年の話になりますが、12月31日に、バイオダイナミック農法による農場を営む友人から“みかん”が届きました。その瑞々しい美味しさといったら!!昔もった「無農薬のみかんは酸っぱい」の感想が吹き飛びました。
贈り主の農場は熊本県阿蘇にある「ぽっこわぱ耕文舎」といいます。農場で出来た野菜は栄養価が高いのでしょうか、食べると体をハツラツとさせてくれるような、どの野菜もいろんな味わいの含みをもってギュッと詰まった美味しさがあります。熊本から全国に注文に応えて発送してくれますが、野菜を入れたその箱には、いつも彼女の書いた文章が添えられています。
彼女はフランス人のご主人と二人で初めて日本で、バイオダイナミック農法に取り組み、たくさんの家族や仲間を増やし、今では日本を越えてその農法の指導もしてます。見ても聞いても大変な作業の毎日ですが、彼女たちは農業が大好き。大好きなことを続けながら、目標の使命を果たそうとしています。以前彼女は「農業の仕事は大変だけど、私と主人の目標は今生ではとてもとても成し得ないから、来世も来来世も、生まれ変われたらまた農業を続けて、目標を達成する覚悟があるの。大袈裟に聞こえると思うけれど、本当にそのくらいの覚悟をもってこの農業やってるんだよね。」と話してくれたことがあり、この話は、時々、私の背中を押してくれます。
他人から見れば“なんでこんなこと続けられるんだろう”と馬鹿馬鹿しくも思えることが、自分は好きだから続けられる、ということはよくある話ですが、最近つくづくこの“好き”とか“大事”と思えることと社会性について考えます。
私は、本当は何が好きで何を大事に思っているのか、今だ分らぬ自分の本心を探りながら、今年も清水茶寮の仕事を努めたいと思っております。
世界中で雨の被害がたくさんあった昨年に心の中で一区切りつけ、気持ち新たに今年は世界中で天候に恵まれますよう祈りつつ、以下、彼女が夏に書いて野菜に添えた文の一部をご紹介致します。長くなりますが、ご一読下さい。

2012年7月17日(火)~ 7月30日(月)
皆様、お元気ですか。…20年前、千葉から阿蘇へ引っ越してきて2年目、阿蘇市の大洪水と土砂崩れがありました。私たち「人」は災害から何も学ばない、とつくづく思います。この一週間は特に降雨がひどく、この3日間で800mmを越える降雨量です!!北部九州は阿蘇以外にも被害が広がり、今後の復旧が大変です。…
土砂崩れは地形の問題もありますが、「山作り」も大切です。根を張らない杉はその分成長が早く(それでも40年近い!)経済性(今はあまり無し)もあったので、多くの人が杉や檜を植林しました。20年前も、60年前も、そして今も杉を押し流して山は崩れました。私たちの村で起きた土砂崩れの現場から国道57号線を挟んで、すぐ向いに天然記念物になっている、原生林北向山(俗称キタムキヤマ)があります。様々な常緑・落葉・紅葉樹・山桜・山藤等々の植生があり、どんな降雨があっても、静に、そこにデンとあります。「遠いこと」「近いこと」が密接に関係していることは多々あると思います。これからの村の再生に生かしていければと思います。…
東京では実感できない、村の暮らしぶり、農業の現状や野菜の知識などが便りには綴られます。考えさせられること、多々あります。「ぽっこわぱ耕文舎」の野菜にご興味もたれた方はお問い合わせ下さい。ご連絡先ご紹介させていただきます。
- 2013/01/02(水) 01:30:53|
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