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日本茶の店 清水茶寮からのお便り

店主の徒然日記、ハーブ園から、森林から便りが届きます・・・

畳の室のにほい

茶室の障子
今年のお茶の集い、お稽古は一昨日で終わり。
畳の部屋での会のご案内には、「正座が苦手」とよくよく言われます。
古い日本家屋の畳の室を借りて過ごす時間は、雰囲気と申しますか、
空気と申しますか、にほいと申しますか …、何かが普段は騒がしい
心を静め、

畳


障子や畳に映る光や影が心を和ませ、呼吸が深まるように、お茶も
深い味わいをゆっくりと楽しむことができるように感じております。

敬遠されることの多い畳の室でのお茶の集いですが、「正座」の必要
はなし。古きよき時代のにほい、季節のにほいのする建物でのお茶の
時間を、来年も大事に用意していきたいと思っております。

  1. 2011/12/28(水) 14:01:40|
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Fly Me To The Moon

STANDING OVATION
“月の力”などというブログを書いたその夜、代官山の小さなCafe
andBarに、「夢見るヒコーキ。ANA/あこがれのJAZZ CLUB」篇で
使われている“Fly Me To The Moon”を歌っているジャズ・シンガー
のギラ・ジルカさんのライブに行き、大いにご機嫌。
とても寒がりな私が、代官山から歩いて帰宅したその間の寒さもへ
っちゃら。音楽は元気をくれる。(お酒のせいかもしれないけれど)

ステージの合間にギラ・ジルカさんとおしゃべりをして、HPで紹介して
おきますね、とお約束したので20周年記念コンサートのご紹介。
父上はイスラエル人、母上は日本人で神戸の方。
神戸で育ったので、英語と関西弁のバイリンガル。おしゃべりは愉快。
ANAのCMのあの歌声か!
と思い出された方は是非コンサートにお出かけ下さい。

ギラ・ジルカ 20周年記念コンサート
■2012年.2.29日(水) 
 door open18:00 start19:30~
■六本木STB139スイートベイジル
■m/c 6,000円
■http://stb139.co.jp/


  1. 2011/12/21(水) 01:47:16|
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月の力 

ホーリーバジル
12月の10日の皆既月食をうけて、数日前まで、頂戴するメールの多く
の冒頭は、皆既月食ご覧になりましたか?といった言葉から始まり、
どれこもこれもでしたので、なんとなく嬉しく可笑しく笑みが出てし
まいました。

夜空を見上げながら、今、太陽と地球と月が一直線かと思うと、いつ
もより空が遙かに感じられましたし、見える月の銅色の、“赤”とい
う色に感じ入ったり、見えませんでしたが、この夜空に本当はかかっ
ているであろう天の川を想像して、私の目までキラキラしたり。
明けて明るくなった朝空の、輝く太陽と大きな月と新鮮な空気に、気
持ちが真っ白になるようでした。

夜空を見上げた後、<ホーリーバジル>を飲みながら、ピアノを習っ
ていた子供の頃、ドビッシーの“月の光”が弾けるようになりたくて、
でもそれを先生に伝えるのが恥ずかしくて内緒で練習しながら、
ドビッシーがどんな月を見てこの曲を書いたのかを想像したり、その
うち、ベートーヴェンの“月光”に憧れて同じようにベートヴェンが
どんな月を見ながらこの曲を書いたのだろうと楽しい想像をしながら
音符をおっていたら、ずっと後になって、実はピアノソナタ第14番作
品27-2のこの作品の“月光”という標題は、ベートーヴェンの死
後、ある詩人によってつけられたことを知り、ちょっとがっかり、驚
いたことを思い出しました。でも、やっぱり憧れの曲です。

すっかり話がそれましたが、飲んでいた<ホーリーバジル>は、宇宙
とのかかわりの中で育てるという、バイオダイナミック農法で育った
ハーブです。スケールの大きな体系の農法です。
このハーブは、インドのアーユルヴェーダでは重要なハーブとして、
用いられているそうで、丁子(クローブ)のような風味があり、免疫
力を上げる効果など、様々な効用がいわれいます。

スケールの広い栄養を吸い上げた<ホーリーバジル>と<ジンジャー
が入荷しております。こんなハーブを飲みながら、夜空を見上げるのも
楽しいものです。この冬、どうぞお試しになってみて下さいませ。
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  1. 2011/12/20(火) 12:09:37|
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薫物のおもしろさ 

塗香
私は意識の深いところにまで届くような、和のお香の香りも大好きで、
時々香木の味わいを楽しみますが、いつかは香料を配合する「調香」も
楽しみの一つにしたいと思い続けおりしまたが、今年はようやくそれ
が叶い、お香司さんでいらっしゃる郡司典子先生の元に少しずつ通わ
て頂いております。

秘法と伝わるような調香も時にご紹介下さり、配合の妙に驚かされな
がらも、それを元に、自分なりに調香して、練香、お線香、匂い袋、
焼香、文香、塗香など、様々なものをつくらせて下さり、私はそれを、
お茶会や茶道のお稽古等にも使っては楽しんでおります。

「調香」、「お香司さん」、「塗香」、日常には聞かない言葉ですが、
ちょっとイメージしにくい「塗香」とは、心身を清めるために使われ
る粉末状のお香で、手のひらに少量落として香りを吸います。
先生のお話によれば、歴史は古く紀元前3000年頃には医療用や趣味の
ものとしてもちいられていたそうで、遙かなる時代から続いています。

仏教の経典「華厳経」には、塗香の十種功徳が書かれています。
(写真は、調香した「塗香」とその入れ物です)
お香の文化は仏教と供に伝来しましたが、四季のある日本で、独自の
香りの文化になりました。日本の風土は本当に素晴らしい。

風土に根ざした昔ながらの日本の各地のお茶を、少しでも多くの方に
知って頂きたいと、お茶の会を開いておりますが、来年は香りの文化
の、その豊かな面白さも多くの方と楽しみたく、講師として郡司先生
にお願いをしたところ、快く引き受けて下さいました。

来年の1月、3月、6月、9月、12月(予定)で、香木や練香、お線
香など、様々な香りの物を取り上げて、歴史的なお話を始め、その楽
しみ方など色々にご紹介して頂く予定でおります。知ることで世界が
広がるお話が、先生からはたくさん出てまいります。
先生は、「ご参加下さる方々のご希望と季節をできるだけ重ねながら、
会が続いていったらよいですね。お香の素晴らしさを広めることが私
の勤めと思っておりますから、柔軟な会にしたいと思っています。」
とおっしゃって下さいました。

趣味の会となりますが、お茶会の後に続く会としてご用意致しますの
で、来年は、時にこうした会もあるかとご記憶いただき、ご興味ある
方はお問い合わせ下さいませ。
お茶の香りと香の香り、どちらも天然の香りです。あわせて楽しむこ
とも出来る一日にしたいと思っております。

ちなみに1月は「香木」を取り上げます。できるだけたくさんの香木を
お持ち下さるそうで、そこからの話の展開はさぞ面白いかと、今から私
が心弾ませております。
電子香炉になりますが、時間の中でできるだけ香木の香りを楽しんで頂
きたいと、ご用意下さいます。洗練された流儀の香道による楽しみとは
また違う、お香司さんでいらっしゃる郡司先生ならではの広がるお香の
世界です。

…自分のお茶の会もご紹介せねば、とハタと気がつきましたが、新年茶
会のご案内はまた後日させていただきます。
明日は師走の茶会、しみじみとお茶を味わう会になるようにと、用意を
すすめました。





  1. 2011/12/09(金) 12:02:08|
  2. 店主の日記
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晩秋の便り 初冬の便り

ジンジャー
昨日は田中純氏の江戸糸あやつり人形による、八百屋お七と寿獅子を、
一部稽古の形をとり人形の動きを解説しながらの公演を観る、という
私的な会に参加できる機会に恵まれました。会に参加されたある方が、
「僕だってたたけば出せるピアノの音を、ピアニストはその一音に全
身全霊を込めるのと同じように、田中さんの動かす人形のその一歩に
これほどの思いを込めていることを知って本当に感激した。」
とおっしゃておられましたが、まったく同感。あるはずのない人形の
息づかいを伝える、芸の素晴らしさに頷かされました。
あまり知られていない世界に思いますが、江戸から伝わる日本の芸能
を、機会がございましたらご覧になってみて下さい。

さて、掲載までに時間がかかりましたが、
山からの便り その6>、うみ風ハーブ園から<12月のハーブ>の
便りが届いております。どうぞご覧下さい。

上記の写真は届いたジンジャー。
本日の食べすぎの胃を温め、胸のつかえをすっきりとさせてくれました。









  1. 2011/12/04(日) 23:26:52|
  2. 店主の日記
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12月のハーブ ジンジャーとホーリーバジル

季節は、もう12月・師走ですね。
長らくブログの更新をしないままですみませんでした。

今年は 宮崎は今のところ暖かい冬で、まだ<レモングラス>も青々と
しています。 (毎年、この時期は霜でやられてしまうのですが…)

雨が多いので、天候を見ながら11月は、
ジンジャー>や<ホーリーバジル>を収穫しました。

これからの作業は寒い冬に備えて、ハーブ達に堆肥を撒いたり、
もみがらをかけたりします。

そして冬の大きな作業はエビスグサ<ハブ茶>の収穫が
これから始まります!!

天候が不順な中、ハーブやエビスグサがしっかりと育ってくれたのは
とても有り難く、守ってくれている容三さんにも感謝しています!!

ジンジャー茶>や <ホーリーバジル茶>を送らさせて頂きます。

ジンジャー茶』は 体を温める効果があり、これからの寒い時期には
お勧めです。紅茶やチャイに入れたり、お料理にも お使い頂けます。
ホーリーバジル茶』は浄化のハーブと呼ばれています。
免疫力を高め、感染症を予防します。
                            尚 美
  1. 2011/12/04(日) 21:40:19|
  2. うみ風からの便り
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山からの便り その6 木が育ちあがるまで

山からのたより その6                池谷キワ子

山からの便り 秋の号をお届します。

夏と冬の日々は同じような日々が続きますが、秋と春の日々はすべての気象状態が揺れ動き、気温が
一日として同じところにとどまっていません。行きつ戻りつ気温は上下し、来るべき厳しい季節の
「ならし」をしているようです。山は天気の変わり具合がはげしく雨も多いです。
そして時折、桃源郷にいるかのような抜群の一日が訪れます。
そんな日は、神様が天上からおりてきて戯れているとき。あらゆる自然のものが、嬉しくてたまらず
笑っているかのごとくで、「秋日和」満喫となります。
昨年の秋風景
秋の風景

今までの便りでは、「材木の値段が下落した」と繰り返し書いてしまっていて、読み苦しく、たいへん
失礼しました。そこで今回は木が育ちあがるまでの仕事をご紹介しましょう。

×    ×    ×    ×    ×    ×

★木を植えて、伐採して利用し、またそこへ再造林する、これを繰り返していくのが「林業」です。
それではじめて、木材が持続可能な資源となります。
伐採跡地がまだ寒ささかりのころ、「地拵え」(じごしらえ)という林地の整地作業をします。
苗木を植えやすいように、散乱した枝などの残材をひとところにまとめて地ならし、新植の用意です。

★「遠山に雪」がまだ残っているような3月から4月初めにかけて、「植え付け」。
苗木やさんの畑で実から育てた苗を、根を乾かさないよう菰に包んで、届いたその日に植えます。
「尺五苗」といって45センチ丈の、このあたりではスギかヒノキをヘクタール3000本植えです。

★植えてからほぼ7年間、夏の盛りに苗木の周りを刈る「下刈り」です。
雑草に負けないで日差しを浴びて育てるには欠かせない仕事です。
とくに2,3年目の苗が幼い時はシーズンに2度刈ります。この仕事は一番厳しいものです。

★すくすくと育って8年目には隣の木と枝が重なるようになって、下草が生えなくなると、つぎは「蔓切り」。
侵入した雑木や枯死した木「除伐」もします。
同時ごろ「根払い」という枝打ちで、胸高までの枝を落とす仕事もあります。

★根払いの終わった数年後、私の家では13年生ぐらいで第一回目の本格的「枝打ち」です。
本来は少しずつやるのが木に負担をかけないのですが、今時はいっぺんに4メートルほどまで枝を払い
落してしまいます。
山のプロ・ゆうさんの枝打ち
山のプロ・ゆうさんの枝打ち

★あとは折を見て20年生ごろから何回かの「間伐」です。
一度の間伐で、本数で2割から3割を伐り、このごろでは伐った木を横に積んで、林内に放置しています。
出してきて市場で売っても出材経費の方がはるかに上回ってしまうためです。
良材生産林はさらに6メートル「枝打ち」します。
ヘクタール3000本を植えた林が、除伐され、さらに間伐(まびき)数回をへて、60年後の皆伐時期には
およそ「600本」となります。
プロTさん間伐
チェンソーを使って間伐

沢山の手、長い時間をかけないと材木はできあがりません。
植林時も水をやらない、肥料はいっさい与えない、害虫駆除もできない、と自然にお任せ、でも手入れ
だけは絶対に必要です。使いやすい材木にならないのです。自然とどっぷり「四つに組む」仕事です。
このところ頻発の災害にはやられっぱなしです。
1988年の雪害
1988年の雪害

  1. 2011/12/02(金) 11:24:57|
  2. 山からの便り
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垣根 お茶の花

垣根
思わず息を深く吸い込んで目を閉じた、雨がしっとりと降る静かな朝。
なんとなく「お茶の花」が雨にうたれている光景が思われました。

先日のお茶会で、「垣根」と銘のついた生菓子をお出しした際に、
私がこの時期に初めて見た「お茶の花」の話に花が咲きました。

お茶が椿科であることに皆様驚かれている中でお一人、
正確な言い回しを忘れてしまいましたが、
「僕は知ってましたよ。お茶も椿もどっちも葉っぱが青々として頑丈
 そうじゃないですか。」と言ったようなことをおっしゃりました。

この時、室生犀星の「茶の花」の詩が思われましたが覚えてもおらず
今朝も「お茶の花」が思われましたので、以下に室生犀星の詩を載せ
ておきます。

茶の花   室生犀星

わたしは茶の花が好きです

あの花びらがひえびえと咲いてゐるのを見ると
わたしの心は薄荷を舐めたやうに
すずしく静かになりのです
古い染附物の壷などの
手ざはりをこころみてゐる一瞬のやうに――

茶の花の蘂(しべ)を指さきで揉むと
何といふ滑つこい感じがすることでせう
その黄ろさは濃く温かい
そして何といふあつさりした蘂で
脆いほろほろした悲しげなけはひを
有つてることでせう

みんな俯向(うつむ)きがちで
空のいろも映さずにゐる花です
幹も葉も古い鉄のやうに健康であるのに
この花ばかりは沈みがちにやつと樹にもたれてゐるやうだ
思ひなやんでゐるやうだ
清らしげに――

  1. 2011/12/01(木) 00:38:49|
  2. 店主の日記
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お店の紹介

せいすいさりょう

Author:せいすいさりょう


清水茶寮(せいすいさりょう)では、
無農薬・無肥料の、昔ながらの製法のお茶をはじめ、品種のもつ個性を活かして作られた煎茶、挽きたての抹茶、有機農法(バイオダイナミック農法)によるハーブなどをご用意して、日本のお茶の美味しさをご紹介しております。
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