
小柳さんの茶園は、静岡県藤枝市、空気澄み渡るのどかな中山間地にあります。
前回伺った際に、小柳さんが遠くを指差し、「あれ、高速道路でさ、こっちの
方まで伸びてくるらしいよ。なんだか、資金が足りなくなって、途中で工事が
止まっちゃってるけど、あれが伸びてきたら、空気はもう駄目だね。」
とお話下さいましたが、その後、どうなったことやら。
山間地の茶畑は良質な茶を生育するといわれていますが、急斜面のひと茶畑
の面積が狭い畑では機械を導入しての効率的な仕事が難しく、平地の茶畑管
理にない苦労も多くあるかと、想像しております。
その上、小柳さんの茶園は珍しく、多品種のお茶を育てて製茶しています。
品種が違えば育て方も、収穫の時期も、お茶の作り方も違ってきますから、
“効率化″には向きづらく、あれもこれも手をかけての茶作りとなります。
そんな小柳さんの茶園から、数種類のお茶が届いております。
まだ新茶の青っぽさが際立っておりますが、高めの湯で淹れた<
藤かおり>
などは本来の味わいも楽しめ、<
香蘭>もおすすめです。
静岡ののどかな風景は貴重で、そこに生きて苦労多くして良質なお茶を育て
お茶作りをして下さることに感謝しつつ、皆様に、小柳さんの2011年の新茶を、
ご案内申し上げます。
- 2011/05/31(火) 11:45:53|
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伊勢の緑>が好き、という友人からメールが届きました。

しらいちゃま
忙しいところご返信をありがとう!
私本当に“伊勢の緑”のファンなのよ☆
だからいつ送ってくれてもOK☆
何度か入れて思ったのだけれど
やっぱりゆっくり大事に入れないともったいないなぁって。
というのもずっとゆっくり入れてたんだけれど、
(沸騰→急須・茶碗を温める、お湯を少し落ち着かせる→器の湯を捨てて、
急須に茶葉を入れてそ~っと湯を注ぐ、程度だけれど…)
この間バタバタしていてすぐ入れちゃったの。
沸騰→急須に茶葉を入れて湯を注ぐ、って。
そしたら全然、味が違ってショックだった~!!
くどい味とかは全然しないけど
むしろ味が・・ほとんどない。さみしいことになってしまったのでした。
美味しいお茶だからと思って、お茶だけ渡して「飲んでみて、美味しいよ」、
では、“次回は自分で購入”まで行きづらいなぁ~と思ってしまった。
・・・・・・・・・ M子
先日のお茶会でのお客様との会話
「私、たくさん荒茶を買いまして、なので友人に配ろうと、茶葉をお茶パックに
たくさん詰めました。」とお客様。
「荒茶をわざわざお茶パックに詰めて、ご友人たちに渡されたの?」
「はい、飲んでもらいたくて。」
「パック入りがいいのかしら、ね。やっぱり。」
「か、簡単ですので、それなら多分飲んでもらえるかな、と思いまして。」
先週、届け物をした知人宅で。
「お茶淹れるけど、白井さん日本茶がいいでしょ。」と言って
静岡の手揉み茶を淹れてくれた。
茶葉の量を聞かれたので、これくらいと言って急須に茶葉を入れたのだが、
その後、沸き立ての熱湯を勢いよく急須に注ぎ、10秒も待たず、湯飲みに
注がれた。「美味しいね」とおっしゃるので、思わず「ホントー!!?」
と言ってしまった。
ひとしきりおしゃべりをした後、今度は紅茶を淹れてくれた。
ポットを温め、茶葉は自ら入れ、熱湯を注ぎ、そしてすぐさまタオルをポット
に掛けた!パラリと掛けただけなので、多分意図した(…もしかしたら理由は
分ってないのかもしれないが…)ティーコジーの役目をキチンと果たしている
訳ではないところが可笑しかったが、とにかくタオルをポットに掛け、3分は
待って、カップに紅茶を注いだ。
「紅茶はよく飲むんですか?」と聞いたら、「得に紅茶はって訳じゃないわよ。」
うーん。帰り道、ポットに掛けたタオルを思い出しながら、ちょっとだけ
考えさせられました。
- 2011/05/30(月) 00:52:29|
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しっとりとした雨の日に、香を炷くのはなにより。
さて、明日29日(日)で展示が終わるというのに恐縮ですが、香を聞いている
うちに、ご紹介しておくかという気になりました。
東京藝術大学大学美術館では、<
香り かぐわしき名宝展>
が開催されております。
私自身は駆け足でしか鑑賞する時間がなく、とても残念でした。
明日、お出かけになれる方は時間に余裕をもってお出かけ下さい。
序<香りの源>は、前期(~5/8)「蘭奢待」、後期は一木四銘の香木等、なか
なか見る機会のない香木や、造形美が見事な香木を鑑賞することができます。
香道という素晴らしい文化が日本にはあるのですから、とりあえずは「香木」
を鑑賞しておくよい機会になされましたら、と思います。
Ⅰ<香りの日本文化>、Ⅱ<香道と香りの道具>では、たくさんの美しい名宝
が展示されており、ひとつひとつに足が留まります。
Ⅲ<絵画の香り>では、香りをテーマに選ばれた名画が展示されています。
どれもこれもですが、池大雅の、のびのびとした筆遣いは、いついつまでも
見ていたかったです。
最後の展示は、小茂田青樹の作品。
「緑雨」は、芭蕉の葉の下にいる蛙が、いつのまにか自分に置き換わるような、
雨の日の幼い頃の記憶を引き出すような、雨の日の匂いがしてくる、絵と自分
に距離感のない作品でした。
明日も雨の予報。上野の森の雨の匂いを楽しめるほどに雨具をしっかりと整え
てお出かけになり、よい時間をお過ごし下さい。
- 2011/05/28(土) 11:49:01|
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様々な品種茶を作って下さる静岡県藤枝市の小柳さんは、
5月10日に7種類のお茶を作り終えました。
昨年は春の寒さの気象災害、今年は地域は違えど大災害があり、
手元にこれら7種類のお茶が通年どおりに届いた時には、
有り難さに思わず目が潤みました。
まずは一種類ずつ神棚に上げ、「今年も届いたんだ」という
嬉しさは毎年のこと。試飲を繰り返しております。
今年は<藤かおり>の出だしがとてもよく、どうしたことでしょう!
ここ数年、<藤かおり>は仕上がりからしばらく時間を置かないと、
その素晴らしい“らしさ”が出てきませんでしたが、今年はもうすでに
“らしさ”が楽しめるではありませんか!これから時間の経過とともに
さらに味に深みが増すことが楽しみです。
もう20年以上も前の、初めて<藤かおり>を飲んで感激した時のことを
思い出してしまいました。
もう少しだけ置いて、来週には、今おすすめ出来る小柳さんの2011年
品種茶の販売を始めます。どうぞ宜しくお願い致します。
- 2011/05/21(土) 11:24:44|
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カミツレ茶>が入荷致しました。
ドライハーブでありながら、摘みたての新鮮な青リンゴのような香りが
そのまま楽しめます。甘い香りのハーブティ、どうぞお試し下さい。
- 2011/05/16(月) 23:38:10|
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「カモミール摘んで、フレッシュカモミールティー作った。おいしーよ。」
そう言って、朝、妹が枕元にフレッシュカモミールティーを置いてくれました。
青リンゴのようなカモミール茶のピュアな香りを楽しみながら、
容三さんの作ってくれた<カミツレ茶(カモミール茶)>は、ドライであっても、
フレッシュ感がそのまま楽しめたなぁ、などと考えていたら、
“うみ風ハーブ園”から試作のハブ茶が届きました。
もう、寝てなんかいられない。
ただ今、園はカミツレの収穫に追われています。
「ハブ茶の焙煎失敗しました。また、トライします!」の連絡を尚美さんから
以前に受け、焙煎の難しさを精一杯想像し、祈る気持ちで今日を待ちましたが、
この忙しい時期によくぞ仕上げられた、と心から喜んでおります。
皆様のお手元にも、出来るだけ早くお届けできるように致します。
園主が代わって初めての出荷となる<ハブ茶>。
今年も皆様にこのお茶を取り扱うことができそうな次第に、感謝ばかりです。
- 2011/05/09(月) 20:38:58|
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もう、もう、大丈夫かと床を上げ、一仕事すると熱が上がり、を繰り返して
連休が終わってしまいました。
そのような調子で5日の子供の日、ダイニングでちょっとした用事をしてお
りましたら、キッチンで妹がカチョカチョと何かを作り始めました。
ものの15分もかからなかったでしょうか。
「食べられるんだったら、食べたら?形悪いけど、美味しいよ。」
妹が声をかけてきました。
私は体調を崩すとすぐに食が細くなってしまうのですが、テーブルに目を
やり!「これは一体草餅かい?」
気がついたら1個しか残っておらず、この草餅の面白い形がそれなりに写真に
納まってしまったのですが、“走り井餅”が巨大化したような草餅が何個も
並んでいる姿は、手際よくつくるけど、美しい形にはさして興味がない、とい
う妹らしいお菓子で、すごかった。
それでも、子供の日だからと、草餅をカチョカチョっと作ってしまうことは
なによりのことと、関心致しました。
(ちなみに、餡子は冷凍していたものを使いました。)
ゴールデンウィーク前、我が家には田舎から続々と筍が届きました。
届けばすぐに茹でたいところですが、母も私も日常に追われなかなか手がつけ
られず、結局、毎度父が茹でることになります。心得たもので、この時期父は
自分で糠を買って用意しておきますし、二度目以降の筍到着には、「俺が茹で
ておくよ」と忙しい母に声をかけます。やり慣れる、ということは同じことを
するにも、仕事に取り掛かる心の負担が随分と違うものです。
またまた昨日体調を崩し、夕食はいらない、と言った私に、「これだけは食べ
て寝なさい」と言われ、しぶしぶ口に入れたものの、初めの一口で体が温まり、
1個しっかりいただくことができました。それなりに食べ終わると、体がしんど
くなるばかり、が続いておりましたが、この一品は、体に力が入った気が致し
ました。
以下に作り方をご紹介致します。女性の方も男性の方も、ぜひ何度か作られて、
作り慣れてお役立て下さいませ。体に負担なく食べられる美味しい一品です。
★豆乳茶碗蒸し★
①卵をよくときほぐし、豆乳とだし汁を混ぜて、こす。
調味料で味をととのえる。
②水切りした豆腐を器に入れ、卵液を流し入れる。
③蒸し器に入れ、弱火で10~12分蒸す。
④鍋にあんの材料を入れ煮立て、水溶きかたくり粉でとろみをつける。
蒸しあがった③にあんをかけ、刻んだみつばとおろししょうがをのせる。
<材料>2人分
卵1個、豆乳1/2、だし汁1/2、絹ごし豆腐80g、みつば2本、
おろししょうが適量
調味料(薄口しょうゆ・小さじ1/2、みりん・小さじ1、 塩・少々)
あん(だし汁・1/3、みりん・小さじ1、薄口しょうゆ・小さじ1/3、塩・少々)
水溶き片栗粉 少々
- 2011/05/08(日) 22:26:09|
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5月の茶の集いのことを少し考えようと、手元にある気仙茶を並べました。
大事に仕舞い込んでいた“陳年10年以上 気仙茶 在来種”と書かれた
お茶の包みが気になります。
…久しぶりに飲んでみようか。
仕上がりから10年以上経った、年代の貫禄がついたこのお茶のエッセンスを、
味わってみたくなりました。
数滴の雫茶は、清遊を楽しむ煎茶の世界の醍醐味。
どんな気分へと誘うかを楽しみに淹れ始めましたが、
一煎目の、すっかり自然に帰り、“薬”のようとしか言い様のない妙味に、
一同ただただ頷くだけ。
二煎目、三煎目といただくと、津波の被害の中にあっても、小高い丘に
しっかりと根を張り、淡々と立ち続ける美しいお茶の木々が思われ、
私はとても清々しい気分となり、ゆっくりと時間をかけて六煎、七煎。
最後の最後の甘露な味わいには、10年という時間までもしみじみと
感じえることができたような、深い満足感で終わりました。
たまには、このように一つのお茶をじっくり飲み続けるのもよいものと
腕を組み、今月のお茶の集いはどうしたものかと考えております。
このゴールデンウィークに東北の被災地にボランティアとして入るお客様が
出発前、“お茶会で被災地の様子をお話できるようにしますね。”と
お電話を下さいました。
日本の故郷の一つ“気仙”のお茶をぜひこの機会に飲んでみて下さい。
地域に昔から根ざしているお茶が飲めることを楽しみに、お越し下さいませ。
- 2011/05/04(水) 00:40:12|
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ひどい頭痛が始まり、その後体中が痛む、痛む。
高熱が出るのだろう、早く出ておさまってほしいと願いつつ、
<
岩しみず>をポットに入れて床に入り込んだ。
毎度発熱の前には、やたらと<岩しみず>を体が欲するからです。
ところが、今回は<岩しみず>を飲みたいという気持ちも、飲まねば、
という気持ちもわかず、体中の痛みに七転八倒もできない、という状態で、
3日間は食事を取ることも出来ず、唯一、体にすんなりと入り込んだのが、
ハーブティーでありました。
植物療法の勉強を始めた妹が入れた、一杯のハーブティーがきっかけでした。
美味しく一杯飲めたことに双方気を良くし、私は半分面白がって注文を出し、
妹は実験台にここぞとばかり、新しいハーブを買いこんで、お茶をブレンドし、
オイルマッサージに励んでくれました。
写真は“体の痛みが楽になるお茶がほしい。”と注文したら、
“そんなのまだ聞いたことないけど…ハイビスカスってなんかそんなことに
良かった気がする…かなぁ”
と言って作ってくれた、ハイビスカスのブレンドハーブティーです。
ハイビスカス…?疲労回復作用のこと言ってるのかしら…
お茶を入れてもらえるっていいな、と思いつつ、注文とちょっと違うことが
なんだか可笑しくて、でも習いたてにも一生懸命考えて入れてくれたお茶が
可愛く見えて、思わず写真を撮ってしまいました。
もちろん、妹には大いに感謝です。
些細なことですが、誰かが美味しいと思えるお茶を入れられたり、何かが
作れたりするのは、やはりよいことです。
さて、そんな状態に治る見込みの見当がたたずにおりましたが、お陰様で
今週末のお茶会の連絡が入った途端、カチャッとなにかが切り変わり、
しっかり回復に向かい、食事もできるようになりました。
久しぶりに飲んだ食後の<
秋ばん茶>は、体を労わってもらえる優しい美味しさ。
なんということはないお茶なのだけれど、こうしたお茶がいつでも飲めるよう、
各家庭にあったらと、改めて思いました。
身近に体調を崩されて心配な方がいらしたら、どうぞこの晩茶のことを
思い出して下さい。
番茶は、一番茶、あるいは二番茶まで煎茶として刈り取られた後の葉で作られた
ものが多くありますが、ご紹介した<
秋ばん茶>も<
赤ちゃんばん茶>も、
<
秋冬ばん茶>も、一年に一度、葉が成熟するのを待ってから作られます。
科学的なことは分りませんが、栄養を一番、二番と出しつづけた後の葉と、
そうでない葉では、何かが違うように思っております。
しかも手作りに近いお茶。
労わりたいと思った方がいらした時には、どうぞ思い出して贈ってみて下さいませ。
週末のお茶会は、無農薬・無肥料で育った自然茶を飲んでいただく会ですが、
お茶の説明は最小限に、これらのお茶が自然に運び出す会話を、今回は大事
にしたいと考えております。お茶請けはスペシャルです!ご期待下さい。
- 2011/05/03(火) 00:26:45|
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